| 造形作家=高橋理加――白い世界から開かれる可能性 | ||
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現代造形作家=高橋理加の「in the Cube」展を鑑賞した(2006年10月25日、東京・京橋「藍画廊」)。 10平方メートルほどの白い空間。入室すると、眼鏡が曇ったような錯視に幻惑される。 高い天井からぶら下がる1灯の照明のもと、ほぼ真ん中にある木製の箱の周囲に、半ズボンを穿いた真っ白な14体もの少年像がフリーズしている。身長は80センチくらいで等身大に近く、モノクロームなのに妙にリアルだ。 牛乳パックの再生パルプという素材自体は、木綿豆腐のような質感で暖かな和みをもたらす。しかし作品は対極を表現するかのようで、両手でキューブをかかえて立っている子、頭がキューブになってしゃがんでいる子、なかには箱の上に立っている子、箱の上でしゃがんでいる子もいる。彼らはいずれも、うつむき、うなだれ、それぞれ別々の方向を向いて停止している。狭い空間の中ですぐ隣り合っていながら、基本的な価値観すら共有できず、お互いのコミュニケーションも成り立たないのだ。 少年たちは白い壁の中に吸収されてしまい、皮肉にも白いスクリーンに投影される薄い影としてしか存在しない。横溢する生命力がなく、さらに目標も希望も見出すことができない。ここに、成果主義と競争原理にさらされて、人間存在をバラバラに引き裂いている現代が凝縮されている。木製の箱は一色に染められた時代背景、子どもたちがかかえているキューブは鑑賞者の心の中だ。 惜しむらくは、2000年の作品「言葉の領分/言葉の壁」ほどの衝撃度はない。「ランドセルを優しく開けて」や「どこまで登れば」「子どもだましい」の延長線上の作品といえるだろう。とはいえ、「キューブ」に託したメッセージは、観る者の易きに流されがちな心を刺してくるパワーがあった。 これからも新鮮な造形で僕たちを楽しませ、驚かせ、戦かせてほしい。 高橋理加展「in the Cube」の展示風景 http://homepage.mac.com/mfukuda2/aiga242/aiga242.html 作品集 http://homepage.mac.com/mittaka/IDEALSTOCKs/PhotoAlbum25.html 藍画廊 http://homepage.mac.com/mfukuda2/index.html |
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