“エコ車”への買い換えはエコではないかも
〈乱気流No.59/09年7月号〉

 “インサイト”などハイブリッドカーや、電気自動車の話題でにぎわっていますが、小生は1993年3月19日に新車登録した,排気量2000ccのルマに乗りつづけています。そのクルマを購入したディーラーから,先日,いわゆるグリーン税制等で受けられる優遇措置による買い替えの誘いが来ました。
 〔13年を超えて乗っている車を廃車にして,「2010年度燃費基準をクリアした普通車,あるいは軽自動車を購入した場合,普通車については1台25万円,軽自動車については12万5,000円の補助金」(スクラップインセンティブ)を受け取ることができ〕るというのです(マイコジャーナル)。さらに減税により,場合によっては40万円ほどもお得になるということです。
 たしかに,最近のクルマは燃費の向上,CO2排出量の低減など,小生の車から見れば進歩しています。しかし,だからといって,何の支障もなく快適に使える車を買い替える必要があるでしょうか? 車検はもちろん,6ヵ月,12ヵ月点検も欠かさず,僅かながら燃費・排出ガスの面でレギュラーよりすぐれている無鉛ハイオクガソリンを入れて,16年余りにわたってカーライフを共にしてきた愛車をスクラップにすることが,エコな行為なのでしょうか?
 だいいち,新車購入と,長く使いつづける場合のどちらが“エコ”なのでしょうか? 同じような疑問を抱く人は多く,新車製造に費やされる膨大なエネルギー、生じる環境破壊および排出するCO2など,さまざまな情報も提供してくれていますが,小生もちょっとネットで調べてみたら第1図のようなデータが見つかりました。このグラフから見ると,おおよそ7万キロ走行しないと元は取れないようです。また,ある人の試算によれば,2000ccクラスのクルマは8万キロほど走らなければ,新車生産によって排出されるCO2を削減するに至らないということです(自転車はエコ)。
 さて,愛車はちょうど8万キロになろうとしているところです。買い替えれば,環境と自動車関連企業と世界経済に,微力ながら“貢献”することになるかもしれません。しかし,小生にとってクルマは必需品であると同時に趣味でもあります。現在のクルマの“ドライブ”を大いに楽しんでおり,これに代わるクルマはいまのところ見当たりません。あと何年,何万キロ走れるかわかりませんが,製造当時の排ガス規制をクリアしたクルマなので,環境への配慮もそれなりになされています。なので,買い替える気はさらさらないのです。
 もっとも,仮に買い替えようと思っても,「無い袖は振れない」というのが実状なのですけれど。


第1図(2007年1月31日 社団法人日本自動車工業会より)


(龍門 歩)

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