|
日本郵政株式会社の「かんぽの宿」一括格安売却問題,および東京都中央区の「中央郵便局の再開発」問題,そして,郵便事業株式会社による障害者団体向けの割引制度を適用した家電量販大手・ベスト電器の「ダイレクトメール発送」事件と,日本郵政グループをめぐっていろいろ騒がしいこの頃です。
小泉元総理大臣の「郵政民営化」路線に従い,日本郵政公社を経て2007年10月1日に日本郵政グループが発足したわけですが,公共事業としての使命をかなぐり捨て,単に利益追求至上主義の私企業と化しただけのようです(もっとも,利益追求だけのためなら,「かんぽの宿」はできるだけ高額で売却しようと努力したでしょうが)。民営化前後に,過疎地をターゲットとして断行された簡易郵便局の廃局・一時閉鎖が大きな話題となりましたが,現在も一時閉鎖は増加しつつあり,一方で移転・再開などあわただしい動きを示しています。
会社組織も固まらず,目標も定まらず,いつまた「公営化」されるかもわからないなか,「支店」や「社員」も心ここにあらずといった状態のように見受けられます。小生が長年,利用してきたT郵便局では,なぜか民営化後ずいぶんとたるんでしまいました。
朝9時を過ぎても「営業時間内にお電話ください」との留守電が流れ(かといって営業時間の案内もありません),速達の封書を集荷箱の隅にへばりつかせたまま放置し,依頼したEXPACKの集荷を忘れ,さらには,差出し市内の町名と届け先の町名がたまたま同じであったため,せっかく書いた郵便番号も確かめずに戻してきたり。そのくせ配達の際,年賀はがきやEXPACKを営業してきたりします。こんなことを本当の民間企業の社員がしでかしたら,クビか左遷か降格ものです。
しかし,「郵政社員」たちの落ち着かない気持ちもわからないではありません。この組織は未だに,選挙対策として政党のご都合主義に翻弄されているのですから。国民や社員たちのために,“郵便のユニバーサルサービスを維持しつつ,人々が安心できるコミュニケーション,確実,迅速な物流機能を提供する”という日本郵便の経営理念が遂行され,早く民営化の成果を出すことができる環境を整えなければなりません。そのために政治は即刻、「郵政」を弄ぶことをやめるべきです。そして,次の選挙の際には各政党ともぜひ,「郵政に関するマニフェスト」を掲げてほしいと思います。

水やりもされずに枯れた植え込み,よごれた外壁など,どことなく荒んだH郵便局。
(龍門 歩)
|