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日本では1964年の東京オリンピック前後から、車社会化が始まりました。人の移動は自家用車へ、貨物輸送はトラックへシフトされ、都会では交通渋滞が日常的になりました。それを解消するために道路が建設され、いっそうクルマが増え、渋滞は解消されないまま、さらなる道路が建設され――という悪循環に陥ったことは周知のとおりです。
その間、全国に張りめぐらされていた在来鉄道や路面電車などが邪魔者扱いされて、次々に廃止されたり縮小されたりしてゆきました。その結果、自然破壊、大気汚染、交通事故、騒音、渋滞による生産率の低下、過疎地での生活困難等々が進んだのでした。
しかし、ここへ来て、地球温暖化などの環境問題により、その元凶である化石燃料を使う自動車万能主義を見直し、温暖化ガスの排出量がトラックの約6分の1といわれる鉄道に目が向けられるようになってきたようです。折しも世界経済を牽引してきた自動車産業が急激に縮小し、低迷する経済を活性化する必要に迫られたこともあって、世界各国で鉄道建設を推進する取組みが活発化してきました。
鉄道(船舶も含む)と自動車を組み合わせ、効率のよい、環境保全の可能な、貨物の輸送や人の移動をシステム化することはできるはずです。特に日本は、鉄道についても自動車に関しても、明治以来営々と築いてきたインフラと高い技術を持っています。それらを活用すれば、世界に先駆けて先進的な「モーダルシフト」のモデルを創出することは可能です。未だに「道路」に固執している国土交通省などは発想を転換し、日本の経済再建のためにもぜひこの課題を手がけてほしいと思います。
 第1表

第1表は『日経新聞』2009年2月13日付夕刊より
新幹線写真は姚文元の弟子さん提供
(龍門 歩)
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