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昨年12月初め,神戸大を中心とした日欧六大学の共同開発チームが,世界初の「宇宙太陽光発電衛星」を2012年までに打ち上げることを目指すというニュース(神戸新聞2008年12月03日)に接し,胸躍る思いがしました。
ご存じのとおり,宇宙太陽光発電システムは,宇宙空間で得られる太陽光エネルギーをマイクロ波やレーザーにより地上へ無線伝送し,地上でそのエネルギーを電気や水素等の無公害燃料に変換して利用する(JAXAホームページより)もので,まさに革命的なシステムです。
しかし,その実現に漕ぎ着けるにはまだまだ技術的,人的,組織的その他,多くの困難を克服しなければならず,そのために莫大な費用がかかります。国家的事業として強力に推進しなければ実用化は難しいでしょう。
ところが,政府の宇宙開発戦略専門調査会によって11月27日に決められた「宇宙基本計画の基本的な方向性」は,(1)民間需要への対応(2)安全保障の強化(3)宇宙外交の推進(4)宇宙産業の育成(5)子供たちに夢を与える宇宙科学研究体制という五つの方向性を提示した(MSN産経ニュース2008.11.27より)ものの,柱としての「太陽光発電システム」への言及がありません。
電力は,人類社会にとって必要不可欠なインフラであり,今後とも需要は大きく伸びてゆくでしょう。自然エネルギーのエースである宇宙太陽光発電システムに積極的に取り組めば,宇宙産業の育成,産業全般の活性化はもとより,それこそ「宇宙外交」にとって切り札となること間違いなしです。
実用化までには環境に大きな負荷をかけるでしょうが,いったんシステムが完成したら,(人類が生存し続けたとして)数十億年は輝き続ける太陽エネルギーを安心して使うことができます。風力・地熱発電等、他の再生可能エネルギーとの併用によって、化石燃料や原子力への依存度が低下するので,温暖化効果ガスや放射能の危険性を低減するとともに,酸素を無駄に費消する心配もなくなります。
宇宙開発戦略専門調査会は今年5月に具体的な内容を詰めるということですが,その際,ぜひとも宇宙太陽光発電システムの実用化を国家的事業として推進するよう提案してほしいと思います。

L-SSPS(1GW級 宇宙太陽光発電システム想像図/JAXAホームページより)
(龍門 歩)
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