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小生の利用する路線バスは最近,ほとんど「ノンステップバス」になりました。「高齢者,身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の利便性及び安全性の向上の促進を図」る,いわゆる「交通バリアフリー法」に沿って近年,駅や乗り物が改良されていますが,ノンステップバスもその流れで開発・導入されてきたものです。おかげで,充分とはいえないでしょうが,たとえば車椅子の人がある程度安心してバスや電車を利用できるようになってきているように見受けられます。
ところがノンステップバスは,車内に車椅子用のスペースを設けるために,かなり強引な車内レイアウトが行われています。エンジンやタイヤの位置などの関係上,車内後部は高い段差の上に雛壇のように設けられており,その段差を昇降するのに難儀する人がいるようです。また,前部の座席は前輪タイヤハウスの上にちょこなんと載っていて,乗り降りするステップも小さく,下手をすれば足を踏み外しかねません。立っていられる人はまだしも,電車より揺れの大きいバスにおけるこのような座席配置は,子どもや、普通の中年以降の人,怪我をした人,その他足腰の弱い人々にとっては非常に危険です。
小生は頻繁にバスを利用するわけではありませんが,「交通バリアフリー法」が制定された平成12年以前から思い出しても,車椅子の人に乗り合わせたことは一度もありません。そんな機会にあえば協力するに吝かではないつもりですが,それほど乗車確率の低い車椅子の人のために,危険で乗り心地の悪い現在のノンステップバスを全面的に投入する必要があるのだろうか,という疑問が消えないのも事実です。とはいえ,必要な人がいつ乗るかもわからないので,けっきょくは,すべての乗客が快適に乗れるバスの開発を期待せざるをえないわけですが。
バスの改良の余地は色々あると思います。たとえば,乗り心地を犠牲にしないでタイヤを小口径化する,エンジンルームの小さなボンネットバスにする,走行範囲が決まっているのだからインホイールモーターバスにする,可能な条件のところでは路面電車への転換をも考える等々です。
もちろん,多額の費用や少なからぬ年数もかかりますが,技術的にできないことではないのですから,使用中のノンステップバスの運用について早急に再検討を行うとともに,並行してさまざまな改良案や代替案の実現に力を注ぐべきです。そうすれば,身体的・精神的に多様な人々にとって真の交通バリアフリーな社会が創出されるにちがいありません。これはまた,巡り巡って環境問題への取組みにも通じるテーマでもありましょう。
(龍門 歩)


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