自転車の悪質運転に厳罰
〈乱気流No.20/06年05月号〉


 人は「クルマに乗ると人が変わる」とはよく言われることです。この場合,「クルマ」とは自動車のことです。しかし最近,同じクルマの「自転車」に乗っても人が変わる人が多くなったようです。しばしば体験することですが,狭い歩道を歩いていると後ろから無音で追い抜くわ,歩行者で溢れる繁華街の歩道を突っ走るわ,無灯火でいきなり目の前に現われるわ等々,安心して歩けないほどです。
 また,自動車を運転しているときは加害者になるかもしれない危機感を覚えます。赤信号なのに直前を横断する自転車もあれば,歩道を走っていたのにいきなり車道へ降りてきたり,自動車に立ち向かうように右側を走ってくる自転車もあります。さらに,右左折信号で歩行者の横断が終わったかと思った瞬間,(死角の)斜め後ろから自動車の前を突っ切る自転車もあれば,脇道から一時停止もせずいきなり飛び出してくる自転車もあります。なかには,赤ん坊をおんぶし,前後に幼児を乗せて車道を走る“勇敢な”お母さんさえいます。まったく,命が惜しくないのだろうかと疑うばかりです。
 実際,自転車に関わる事故が増加の一途をたどっています。統計によれば,「95年の13万6831件が,05年は1.3倍の18万3653件に」なり,しかも,「05年の自転車乗用中に交通事故に遭った死傷者約18万人のうち,約7割に何らかの交通違反(毎日新聞2006年4月13日10時41分)」があったそうです。
 このような状況に対応して警察庁は,悪質な自転車の運転者に対し,(前科につながる)赤切符による刑事処分を積極的に適用していく方針を固めました。小生も賛成です。残念なことに,罰則が厳しくないと,人は易きに流れてしまいます。酒気帯びや酒酔い運転に対する罰則が引き上げられてから飲酒運転が減少したように,罰則強化が自転車事故を減らす契機になるかもしれません。もっとも,運転中の携帯電話も「喉元過ぎれば熱さ忘れる」で,集中取締りが一段落したらまたぞろ目立つようになりましたが……。



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