踊る「富裕層」
〈乱気流No.14/05.10月号〉


 バブルのころ、「一億総中流」という言葉がはやりました。ほとんどの人が金銭的にそこそこ余裕があり、「みんな同じ」というような横並びの時代でした。これも変な世相でしたが、バブルがはじけ、厳しい経済情勢になってからは収入や学歴、就職などにおいて二極化が始まり、さまざまなシーンで「勝ち組・負け組」などと「差別化」が行なわれる、いっそうおかしなご時世になりました。
 人類は自由や平等を追求してきたのではなかったのかと、あらためて考え込んでいるうち、新聞やテレビ、インターネットなどで「IT長者」に象徴される「富裕層」という言葉を目にする機会が増えました。そしていまや、「富裕層向け」と銘打たれた商品がたくさん開発・発売されています。お金持ち限定の金融商品、高級住宅、高級車、豪華旅行、高級家電等々……
 一方では、リストラという大義名分の下、有無を言わさず馘首されたり、正社員の門が狭くてフリーターになったりで、やむなく「貧困層」に陥った人々の自殺や家出、ホームレスはなかなか減少しません。さらに凶悪犯罪、自然災害もふえて社会不安も増しているのに、それを横目に富裕層はちやほやされ、自らも踊っています。経済弱者や底辺層を置き去りにして、この日本は何処へゆこうとしているのでしょうか?

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