ドライブレコーダーって良さそう
《乱気流No.4/04.12月号》


 自動車のフロントガラスに取り付けて,事故など,急激なG加速時の映像を記録する車載カメラ=ドライブレコーダーが注目を集めています。航空機におけるフライトレコーダーの自動車版で,その機能の有効性から,今後の普及が期待されるところです。
 この,いわばドライバーの“第二の目”とでも言うべきカメラを開発したのは,長年に亘って事故の再現(判別処理),つまり鑑定に携わってきた,鞄本交通事故鑑識研究所。当該製品(Witness)は,CCDカメラ・Gセンサー・CFカードを内蔵し,常時,運転者の視点(視野)から自車と周辺状況の記録を行います。そして,事故や急ブレーキ・急ハンドルなどの衝撃(0.4G以上)を受けると,衝撃前12秒間と衝撃後6秒間の計18秒間の映像をCFカードに保存するのです。
 たとえば交通事故が発生した場合,これまでは当事者の言い分や目撃者の情報,鑑識者の見解などによって原因を追及してきました。しかしそれらは,自分が有利になるような主張であったり,曖昧な証言であったり,また被害者が死亡した場合は生存者の一方的な説明であったりします。そのため,事故の真相を解明することが非常に困難でした。無念な思いをした人もたくさんいるでしょうし,過失がないのに償いをさせられた人もいるでしょう。
 ところがWitnessは,95度の視野範囲を確保する広角レンズによって,信号の色や一時停止標識なども含めた映像を収録しているうえ,データ(=速度,衝撃度など)も記録しているので,それらを解析することにより,事実を科学的に立証することができるのです。どちらが信号を無視したか,一時停止を怠ったかなども一目瞭然。事実認定の早期決着で無駄な時間を費やすことも,水掛け論を繰り返すこともなく,調査・査定業務の軽減,過失割合決定までの時間短縮,事故対応労費の軽減など,多くの利点を持っています。
 Witnessはまた,乱暴な運転操作をした場合には備え付けのGセンサーが反応して警告音を発し,その運転操作の前後を画像として記録します。したがって,運転者は常に“第三者の目”によって見守られているわけで,知らず識らず襟を正した運転を心掛けるでしょう。実際,この機能はタクシー会社で採用され,運転マナーの向上や事故抑止効果等に大きく寄与しているということです。
 ところで,現在はタクシーなどの営業車向けのものしか販売されていませんが,2005年春〜夏には自家用車向けのドライブレコーダーも発売されるようなので,それからの展開も注目されます。
 営業車では記録されたCFカードを会社で取り出して,再生し,ドライブマナー向上,事故抑止等のための運転手の講習に使っていますが,自家用車の場合,所有者はCFカードを取り出すことができないということです。これは,万が一にも映像の「改竄」や,意図的な,あるいは過失による「破壊」などが行なわれないためで,妥当な措置と考えられます。
 ただ,すべてについて万全かといえば,そうとは言い切れない面もあるようです。
*ドライブレコーダーの映像を,被害者に捜査情報として開示するのか。
*とくに被害者が歩行者や自転車などの場合,ドライバーに有利な証拠だけ提出することになる恐れはないか。
*CFカードを提出する/しないの裁量は誰が行なうのか? また,自分で取り出すことができないとはいえ,データの信頼性の確保も課題である。
*微妙な事故もあるので,やはり専門家の評価が必要ではないか。
*以上を踏まえ,事故直後,警察がすぐ保管できる制度を設ける必要がある。
 いずれにしろ,ドライブレコーダーはさまざまな効果を発揮するでしょうが,その普及に伴う混乱を避け,的確にその機能を生かすために早急な法整備が求められます。と同時に,所有者・運転者のプライバシーを護るよう,最大限の配慮をすべきでしょう。
 また,現在は前方のみの収録ですが,これを何個か取り付け,あるいはなんらかの改良を施して,トラックの後輪による巻き込み事故や,側面あるいは斜め後方からの事故なども記録できるようにすれば,いっそう事故の抑止に役立つのではないでしょうか。社会全体が協力し合って,そのような方向に持ってゆきたいものです。
 なお,個人的には発進加速を楽しめなくなるのではないかと心配してま〜す(@゚▽゚;Aアセアセ・・
http://www.witness-jp.com/index.htm 鞄本交通事故鑑識研究所ホームページを参照させていただきました)

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